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2006年08月31日

インド三日目(2) ブルジョワバスで英語表記の無さ過ぎな街に行くの巻

バスに乗り込んでみると、他のローカルバスとは趣が違う。
まずエアコンがついている。そして席ごとにミニ扇風機までついている。テレビとDVDまでついている。
乗っている人はみんなブルジョワっぽい人ばっかりだ。

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ブルジョワバス。真ん中にテレビ、座席窓側にはミニ扇風機が見えます


出発して間もなくDVD映画上映開始。

「エアフォース1」のインド版みたいやつだ。
アクションシーンではここぞとばかりにスローモーションを多用しまくる。
テロリストがパキスタン関係者という危ない設定の映画である。
ところが開始20分で上映終了。
まさか乗客にパキスタン関係者がいるのだろうかという疑問を拭いきれないまま2作目の上映が始まる。

これはところどころに歌と踊りが挿入される、典型的なインド映画だが、
男優が韓流スターばりのさっぱりした男前で、一昔前のインド銀幕スタ−とは一線を画す存在感である。
女優は昔と変わらず豊満な人がよいらしい。
男優は踊りがめっちゃうまい。そしてやたら激しい。
ジャニーズに入っても十分やっていけるだろう。
映画の内容も面白いらしく、ブルジョワのご子息もご満悦だった。

0608India_046.jpg
休憩所


途中休憩を挟んで、18時過ぎにマトゥーラ着。
声をかけてきた親父に誘われるがままにサイクルリキシャにのせられる。
手書きの地図を開いて、場所やら行きたいところやらを聞いてみようとしたが、この人には英語が通じないことが判明する。

何を答えても、自分が知っているホテルの場所やら「アー、アー」というウンともスンとも意図の分からない返事をするのみである。
既に自分がどこにいるのかすらわからなくなった。これは不安だ。
たどり着いた先は英語表記のない宿屋。これは不安だ。
断って、別のサイクルリキシャを拾おうとすると親父に金を要求される。
最初5ルピーだといっていたのになぜか20ルピーくれといってきた。なんでやねん。
理不尽だがしつこいので10ルピー払って逃げる。

自分の居場所もわからんまま、唯一知っているホテルがあ川沿いに向かうらしき方角に向かって歩く。
誰も英語を話せず、英語表記もない。
しかも謎に野生の猿がたくさんいる。どーなってんねん。
日が少しずつ暮れてきた。
早歩きになっているとさっきのリクシャ親父が追いかけてきた。
いい加減にしろと日本語できれようとしたが、さっきの宿で水とリンゴが入った袋を忘れていたみたいで、それを届けてくれた。いい人だった。
この人に頼るのが一番生存確率が上がるだろうと判断する。

落ち着いて2回目の交渉を始める。
ホテルアグラまで20ルピー、という約束を5回くらい復唱した後にサイクルリキシャに乗り込む。
途中親父は別のホテルの名前をうそぶくが、その旅にさっきの約束をひたすら復唱する。
20分くらいしてようやくホテル着、日はほとんど暮れていた。

部屋を見せてもらうと、東洋人ぽい女性がいる。
会釈すると、「こんばんわ」の声。
女神降臨。
この町で初めて外国人に出会う。
速攻で部屋を決め、とりあえずご飯を食べることにする。
既に暗くなっているので、周辺の露天でチャイと謎の揚げ物を食べるにとどめる。
この食べ物は、よくデリーでも葉っぱで作ったと思われる空容器が鬼のように捨てられているので存在は知っていたが、タレが酸っぱいのか何かが腐りかけているのか、かなりきわどい味だ。
今日はろくなものを食べていないので、できる限り食べる。

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チャイ屋でこの日初めてくらいにくつろぐ

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きわどい味の揚げ物をひたすら作り続ける兄ちゃん。閉店間際なのにこの集中力

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ピンぼけしてますが屋根と猿。こいつら自由過ぎ


ホテルに戻って、屋上に上がってみる、
きれいな川の景色と、その堤防付近で土方が土砂をどこかに延々と運んでいる光景が見える。
僕が死のうが生きようが、彼らの生活には何の影響も与えないだろうといったような、センチメンタルな気分に浸る。

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暗いけど、川


40分くらい黄昏れた後部屋に戻ろうとしたら女神に再びお会いする。
女神はどうやらカップルで旅行中のようだ。
残念だ、いや今はそんなことはどうでもいい。
情報を交換する。というか一方的に傍受する。
バカ新入社員の無知ぶりを哀れんだ2人は、「歩き方」を一晩貸してくれるとおっしゃる。
ありがたすぎる。
僕は今まで「歩き方」を多少冷たい目で見ていたが、こんかいは別である。

人生で一番大事なのは情報だと感じる。
情報さえあれば、怖い親父に50ドル請求されることも無かったし、
謎のバスに800ルピー投資することも無かったし、
サイクルリキシャの親父と伝わらない会話を延々続ける必要も無かった。
要するに情報が無いと意思決定の精度が落ちる。
今日は1200ルピー(3000円くらい)程度ぼったくられたが、
それによって情報の重要さを知った。

部屋にはイモリが2匹逃避行。いつのまにか土方の工事は終わっていた。

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こういう暖色系の光で照らされて映える町が素敵

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