老荘思想

  • 著者: 安岡正篤
  • 印象: 2 (1-3)
  • 読んだ時期: 2020年9月

 

いまさら、哲学の本を少しずつ読んでみようと思って、まず老荘を読んで見ることにしたが、一般的な本を完遂する自信がなかったので、入門的な本だろうと思って図書館で借りた本。

 

東洋政治哲学・人物学の権威として知られる著者が、老荘を思想的にまとめた参考書がないか探してみたところ、これというものがなかったため、自分で書いて楽しむ気になって書いた本なのだそうだ。

 

冒頭において、孔孟型、老子型、荘子型として典型的な人物像を医者を例として示しており、思想のイメージをなんとなく掴ませてくれる。

 

老荘思想は、国民を無教育のままにする無政府状態を良しとする、という風に誤解されることがあるが、著者はこういう考え方を「老荘くずれ」として厳しくたしなめている。

 

全体として読みやすく、老荘思想について、多少理解が深まった気がするが自分の文章で整理することができないのでここには解説は書けない、というレベルで理解が深まった。

 

文章中に唐突に人物の台詞が出てくる際、著者のこだわりなのか、カギカッコがついておらず、また句点の付け方が独特なので、どこからどこまでが台詞なのか、見失うときがある。

 

例えば以下のような文章があるが、これには子貢が、と、ここに、の間にカギカッコを付けておいてほしいと思った。

 

子貢がここに美しい玉がありますが、箱に入れて大切に蔵っておいたものでしょうか、それとも善い値でうったものでしょうかと巧く問いかけた時、孔子がもちろん・・・

 

おわり。