• 著者: 小川哲
  • 読んだ感じ: 2 (1-3)
  • 読んだ時期: 2025年3月

 

生放送で行われたクイズ番組の決勝戦の最終問題で、天才的な記憶力を持つタレントである本庄絆が、問題文が一文字も読まれない前に早押しボタンを押して回答する「ゼロ文字回答」で正解し、優勝するという事件が発生した。番組の出演者が口をそろえてヤラセを疑う中、決勝で本庄と対峙した三島玲央は違和感を感じ、自力でゼロ文字回答の真相究明を試みる。

 

結論からいうと本庄のゼロ文字回答はヤラセではなく、本庄がその答えに行きついたロジックがある。三島によると、クイズとは単に知識量を競うものではなく、いかにして相手よりも早く正解を答えるかという競技であるのだが、本庄はその技術を習得した上で、番組製作スタッフの意図とかいうような、もう一つ大きな上位の知識を駆使して、ゼロ文字回答を導き出したことが明らかになる。

 

「ですが問題」「読み押し」とかいうような、クイズの専門用語、技術とかが紹介されていて、読むとクイズ番組を見る目が少し変わる。