• 著者: 伊坂幸太郎
  • 個人的な印象: 2 (1-3)
  • 読んだ時期: 2025年12月

 

福島県の猪苗代湖が舞台の小説。福島に住む普通の人々と、福島で活動するスパイが色々交錯し合う感じの話。

 

話の途中で、スパイが小人であることが明らかになる。エージェントがピンチになると、飛ばないと思っていた飛行機が飛んだり、急に巨大な建物に閉じ込められたりするのだが、これは猪苗代湖を訪れた普通サイズの人間がたまたま起こした行動によるものだったりする。

 

事務所で残業中に突然出現したゴキブリをどうにかしようとして、たまたま手にした、昔付き合っていた不倫相手の課長のマグカップでゴキブリを封じ込め、しかしその後どうして良いか分からなくなって、マグカップを床で滑らせて事務所入り口まで移動させ、そのまま放置するという出来事をきっかけに付き合い始める会社員の二人が好きだった。

 

小説内に度々、歌詞らしきものが挟まれており、これは一体何の伏線なのかと思っていたら、特に伏線というわけでもなく、もともとこの小説が、猪苗代湖で開催されるロックフェス的なもので配布された小冊子的なものだったためだということだが、そのフェスおよび引用元のアーティストを知らない僕からすると小説内に全然不要な部分だった。